不登校スパイラルからの脱出

不登校は中学1年生で約3倍に

 国の調査では、不登校は小6で約8千人ですが、中1では3倍強の約2万5千人に跳ね上がります。

いじめも小6の約1万件から中1で約2万1千件になる。理由として、小中の「段差」の大きさが指摘されます。

 まず、勉強のスピードと量です。教科担任がそれぞれ宿題を出し、定期テストの前には遅れを取り戻そうと授業を急ぐ。さらに、部活動やふだんの学校生活では、小学校で経験しなかった先輩、後輩の厳しい上下関係が発生します。


 人との関わりが希薄になってきている現在の子どもたちにとって、小学校から中学校への段差は大きくなっているのが実情のようです。中学校では小学校と違い、殆どの科目を一人の担任の先生が見ているわけではありません。

 中間テストや期末テスト、そして部活。人間関係の構築と学力面でもその際は大きく、6年間慣れた小学校と違って、環境が極端に変わってきます。小学校時代に不登校を経験しなかった子どもたちでも、中学校での環境に慣れるために、最初の1ヶ月間ぐらい緊張感をもって中学校に通います。

良い子を演じすぎたり、中学受験で燃え尽きてしまったり、友達関係を学ぶ一番大切な小学校高学年のときを受験勉強中心の生活で乗り切る手段がわからないでいる場合。特に小学校で不登校だった子どもたちは小学校から中学校の大幅な環境の変化に対応しきれない子も少なくないようです。

それを「中1ギャップ」と言います。