新学期が始まってから常に緊張し、ゴールデンウイーク明けや夏休み明けなどに頭痛・腹痛などの症状を訴え、不登校になってしまう。学校生活で自分自身に自信がない。そんな子が不登校になりやすいです。
子どもの力だけでは不登校から脱することは難しいものです。
子ども達には未来があります。
理解し、その対応を考え、支援していきましょう
子どもが学校に行きたがらなくなったら親はどう対応すればいいですか?
不登校になった理由や犯人探しは止めて、まず保護者が子どもにとって一番の理解者になってあげることが大切です。先ずは家庭が一番の安全な居場所になるようにしてあげましょう。特に父親の影響は強いようですので、日曜や祭日は家族で出かけてみることも大切で、良い成果があらわれている例も多いです。 家庭内暴力が出てきた場合、またはやりたい放題になってしまうと、歯止めが利かず、エスカレートしていく場合があります。親御さんが注意してあげることは大切です。頭ごなしに怒らずに、諭すように注意を促しましょう。
登校刺激をしないほうがいいですか?
保護者が子どもにとって一番の理解者となるために「いつになったら学校へ行くの?」「明日は学校は行くの行かないの?」などは言わないでください。今は余裕がありません。子どもを追い込んでしまうこともあります。じっとゆっくり気持ちを休ませてあげることが大切です。
なるべく保護者が同じ方向を見て、子どもの頃の失敗談、苦しかったこと、楽しかったこと等を話す機会が欲しいです。
最初は学校のことはなかなか話したがらないですが、穏やかになれば話ができるようになります。
会話を交わしていることでも子どもは成長していくのです。心も通い合うのです。
そして学校の話を嫌がらないで自ら話してくる場合があります。
学校の先生や友達に呼びにきてもらうことはどうですか?
子どもの性格や状況、段階によって異なりますが、仲のいい友達に来てもらうことはいいですが、特に先生の家庭訪問は、子どもが嫌がっている状況では、無理に行うのはやめましょう。特にクラス全員の寄せ書きは、かえって逆効果の場合があります。
それに不登校の状況において、保護者と教師の間に溝ができる場合が多いので、保護者・教師間での信頼関係の維持と、連絡を密にとることが非常に大切です。
家が居場所になってしまうといつまでも引きこもりにならないですか?
友達がほしい、またはほしくなる時期は必ず来ます。ただ、今は人に会える自信がない、準備ができていない状況なのです。しかし徐々に家族で外で食事をとる時間を設ける、土・日に家族で出かけるなどを試みることも大切です。それは引きこもらせないためにというより、外の刺激や家族の温かみを感じる機会でもあるからです。
相談機関への相談は受けたほうがいいでしょうか?
不登校の問題はお母さんだけで悩んだり、家族だけで悩んでしまうことが多いようです。家庭に新しい風を入れてみるという意味でも相談することはとてもいいことです。
しかし、相談者と波長が合うことが一番大切なのです。よっぽど運が良くなければ最初からぴったり合った相談機関にあたるとは考えない方がいいかもしれません。波長が合う相談機関が良いと思います。「相談して元気を頂く」そういう相談がいいのです。
どういうときに心療内科または精神科にかかればいいですか?
心療内科と精神科との違いは?薬を使用するのはどうですか?
お腹が痛い、頭が痛い、チックなどの症状が出たら心療内科にかかるといいです。騒ぐ、暴れるなどの症状は精神内科にかかるのが適切だと思います。フルマラソンを全力で走っているような状況が続く様子は辛いものです。その場合に、薬に依存しない程度の服用を心がける事が大切です。医師と相談して適切な処置をとりましょう。
どういう子どもが比較的不登校になりやすいですか?
潔癖症、いじめにあっている場合や、友達がいじめられている場合でも心が優しい子は不登校になってしまうことがあります。自分に自信がない、自分が好きではない、そいう時期はよく理解してあげて、家庭でゆっくり休ませてあげることが大切です。内弁慶で、学校では良い子を演じすぎる場合も多く、自分がどう身を置けば良いか分からなかったり、こだわりが強かったり、完ぺき主義なところがあったりすると不登校になりやすいです。また、小学校高学年で夜尿症が治らない子も多いようです。
転校することで不登校を克服することはできますか?
子どもの状況と時期などで異なりますが、今在籍している学校にとどまるだけがよい方法とは限りません。転校することで新しい環境からやり直す方が新たな自分をはじめ易い場合もあります。しかし、新しく転校する学校にも、受け入れ態勢がよくなければ前籍校と変わらない環境にあるかもしれません。よく考えて、本人の意見もよく聞いて、自分自身に自信をつけてから転校すると良いでしょう。
不登校を経験した子達は、「二度と同じ失敗はしたくない」と思い、考えすぎてしまうことがあります。
子ども本人の希望をよく聞いて、見学、吟味し、安心できる要素が必要です。また相談機関ともよく相談していきましょう。そして転校してからは、保護者は先走りし過ぎないように注意して、本人に任せて自立できるように支援してあげる姿勢が何よりも大切です。